2026年7月27日 検証済み

Zed で Claude Fable 5 を使う

ターミナルが受け付けるモデルを、エディタが選ばせてくれるとは限りません。Zed のどこで経路が分かれるのか、そしてそれぞれで何をすべきかを整理します。

結論

Zed のネイティブ Anthropic プロバイダに自分の API キーを設定する方法を選んでください。Fable 5 は 2026 年 6 月 9 日から利用可能で、データ保持への同意設定を有効にする必要があります。ブリッジが @agentclientprotocol/claude-agent-acp 0.55.0 以降でない限り、Claude Agent(ACP)経路は避けてください。古いバージョンはリクエストが Claude Code に届く前に claude-fable-5 を拒否します。

サポート状況

部分的にサポート、2026 年 7 月 27 日検証。Zed の PR #58955 は 2026 年 6 月 9 日に Claude Fable 5 を Anthropic BYOK へ追加しました。Fable 5 はゼロデータ保持(ZDR)では提供できないため、新設の telemetry.anthropic_retention 設定が同意ゲートになっています。Claude Agent(ACP)経路は別問題です。issue agentclientprotocol/claude-agent-acp#762 によれば、setSessionConfigOption() が initializationResult.models でモデルを検証し、Claude Code 自体は受け付ける claude-fable-5 に対して例外を投げていました。これは claude-agent-acp 0.55.0 で修正され、issue は 2026 年 7 月 6 日にクローズされましたが、選択器へ任意のモデル ID を入力できるようにする Zed 側の PR #59023 は検証日時点で未マージのままです。

セットアップ

まず経路を選んでください。手順は最初から分かれます。

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    まず選ぶ:ネイティブ BYOK か Claude Agent(ACP)か

    ネイティブ BYOK は自分のキーで Claude API に直接接続し、トークン課金になります。Claude Agent 経路は Claude Code を ACP 経由のサブプロセスとして起動するため、API キーではなく Pro/Max サブスクリプションを使えます。現時点で Fable 5 が安定して動くのは前者で、後者はブリッジのバージョン次第です。

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    BYOK:Anthropic キーを登録し、保持設定に同意する

    Zed の設定で Anthropic プロバイダに API キーを登録し、Settings → Privacy を開いて telemetry.anthropic_retention を有効にします。既定はオフです。Fable 5 では Anthropic が推論ログを 30 日間保持するため、同意がない場合 Zed はリクエストを送らず、補完経路で型付きの再試行不可エラーを発生させます。

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    BYOK:モデル選択器で Claude Fable 5 を選ぶ

    同意を有効にすると、エージェントパネルのモデル選択器の Anthropic セクションに Claude Fable 5 が表示されます。Fable 5 がリクエストを拒否した場合、Zed は透過的に Claude Opus 4.8 へフォールバックし、失敗したターンを再開する「Switch to Opus 4.8」「Accept」のアクション付き通知がパネルに表示されるため、メッセージを打ち直す必要はありません。

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    ACP:claude-agent-acp のバージョンを確認する

    issue #762 の修正は @agentclientprotocol/claude-agent-acp 0.55.0 に入り、同バージョンには 0.54.1 の modelOverrides allowlist 修正と拒否時フォールバックの同意ダイアログも含まれます。npx @agentclientprotocol/claude-agent-acp --version で実際のバージョンを確認し、Zed が古い同梱版を起動している場合はエージェントサーバー設定で 0.55.0 以降を固定してください。

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    回避策:Claude Code を直接実行する

    ブリッジのバージョンを変更できない場合は、Zed のターミナルで claude --model claude-fable-5 を実行してください。Claude Code はリリース当初からこの ID を受け付けており、issue #762 の報告者は query.setModel() へそのまま渡せば動作することを確認しています。クライアント側の allowlist に阻まれない唯一の経路です。

落とし穴

以下はいずれも、誰かが半日を費やして報告したものです。

  • 表示されるエラーは model_not_found ではない

    ブリッジが ID を拒否すると、Claude Code の明確な model_not_found ではなく、汎用的な設定オプションエラーが返ります。これが見分け方です。claude-fable-6 のような実在しないモデルなら Claude Code は errorKind: model_not_found の型付きエラーを返すため、曖昧な検証メッセージはリクエストが端末から出ていないことを意味します。

  • ゼロデータ保持(ZDR)の組織では Fable 5 を使えない

    これは Zed の不具合ではなく Anthropic 側の制約です。推論ログが 30 日間保持されるため、Fable 5 は ZDR では提供されません。Zed はこれをクラウド補完経路での再試行不可のハードチェックとして実装しています。組織が ZDR を強制している場合、クライアント側の設定では解決できません。

  • ~/.claude/settings.json に model を書いても効かない

    別の長期未解決 issue(claude-agent-acp#225)によれば、ブリッジは query.supportedModels() を呼んで先頭の項目をそのまま選び、Claude Code 設定ファイルのモデル指定を無視します。そのため「Claude Code が読む場所にモデルを書く」という一見当然の回避策は、ACP 経路では機能しません。

  • Fable を選んでも Opus が動く

    claude-agent-acp 0.44.0 のあるユーザーは、configOptions に Fable が表示され、エージェントも選択をそのまま返したにもかかわらず、実際の処理は Opus 4.8 が行っていたと報告しています。気づいたきっかけは ccusage で、Fable の消費がゼロだった一方、同じモデルを Claude CLI から使うと消費が記録されました。モデルの選択が重要なら、選択器ではなく使用量データで確認してください。

コストに関する注意

BYOK は入力 100 万トークンあたり $10、出力 100 万あたり $50、キャッシュ読み取りは 100 万あたり $1 でそのまま課金されます。Zed のエージェントパネルはスレッドが長く続くため、セッション中に 1M コンテキストが埋まっていき、増えるのは出力ではなく入力コストです。Zed 固有の注意点が二つあります。拒否後に Opus 4.8 へフォールバックした分は Opus 料金で課金されること、そしてスレッド途中で effort やモデルを切り替えるとプロンプトキャッシュが無効化され、送信済みコンテキストに再び満額を払うことです。

バグを報告する前に現状を確認する

このページが追っているのは動く標的です。ブリッジの修正は出荷済みですが、エディタ側の選択器変更はまだです。ステータスページに、最後に動作を確認した内容を日付付きで記録しています。

よくある質問